ノP応援団フォトライターが現場をレポート
イノP応援団 フォトライターの髙木あゆみです。
鳥獣害対策の現場で見て感じたことを、写真とともにレポートします。
今回は、熊本県阿蘇郡南小国町の3地区で行われた、金網柵の設置研修を取材しました。
畑を動物から守るための防護柵で、シカやイノシシ対策として重要な取り組みです。
私がお邪魔したのは、脇戸地区と波居原地区の2つのエリア。
それぞれの現場で、作業の様子や地域の雰囲気を感じてきました。
シカ対策として金網柵を張る作業

まず訪れたのは波居原地区。
小春日和の合間に訪れた寒い日で、朝には雪も降っていました。
ここで行われていたのは、シカ対策のための金網柵設置です。
イノシシ用と比べると、シカ用の柵はより高さが必要になるため、その分手間も増えます。
上下2段に分けて金網を張る構造になっており、しっかりと高さを確保するのがポイントです。
①支柱を立てる
作業は、支柱を立てるところからスタート。
一定の間隔で打ち込んでいくのですが、これがなかなかの重労働です。
地中に石やブロックが埋まっている場所もあり、ドリルを使って穴を開ける場面も見られました。
単純な作業に見えて、現場ごとの対応力が求められます。





②下段の網を張る
支柱が立ったら、いよいよ金網を張る工程へ。
ロール状の網を広げていくのですが、想像以上に重く、扱いにも気を使います。
下の段と上の段では網の硬さが違います。下が硬くてなかなか大変。比べて上の段は柔らかく柔軟性があります。





シカはジャンプ力が高く、3mほどの高さを飛び越えることもあるそうです。
ただし、常に高く跳ぶわけではありません。
野生動物にとってジャンプは怪我につながるリスクがあり、できるだけ安全な行動を選ぶ傾向があります。
そのため、隙のある柵があれば、下から侵入しようとするのだそうです。
そこで重要になるのが、金網の張り方です。
地面に沿わせて、畑の外側にL字になるよう設置します。
この構造によって掘り返しにくくなり、侵入を防ぎやすくなるのです。


③上段の設置と仕上げ
下の網を張ったら、次は上の段です。下の段よりも柔らかいです。
大変なのは、下の段との接続。太めのコイル状の針金を使って固定していくのですが、これがかなり硬そうです。
「かたかー!」と言いながらとめていました。見た目以上に大変です。





金網柵には人が出入りできるゲートの設置が必要です。
ゲートの設置は、緻密な調整が必要なのでご一緒した豊産業の皆さんや稲葉たっちゃん、助っ人の井上くんが設置しました。

研修はここまで。
この柵は傾斜の激しい箇所に続いていきます。完成したらまた見にいきたいです!
脇戸地区・ピンクテープに代わる、イノシシ用の金網柵
続いて訪れたのは脇戸地区。
通りからは見えない場所に広がる、静かで美しい場所でした。
これまで張られていた動物避けのピンクテープに代わって金網柵を張ります。


ここでの作業は、ゲートの設置からスタート。









平地で作業しやすい条件も重なり、設置はテンポよく進んでいきます。
機械を使って網を引っ張るなど、効率化の工夫も見られました。
印象的だったのは、作業中の雰囲気です。
わいわいと賑やかな雰囲気の中で手を動かしている様子がありました。面倒そうな空気はなく、それでいて力んでいる感じもありません。

ピンクのテープを外して、景観も変わりました。
近いうちに、完成したところを見に行きたいです。
南小国町の皆さんならでは
南小国町の皆さんは、新しい取り組みに前向きに挑戦されています。
「まずやってみよう」「みんなで取り組もう」
そんな空気が自然と共有されているように感じました。
手間のかかる作業であっても、それを前向きに捉えて動けること。
それこそが、鳥獣害という課題に立ち向かう大きな力になっているのだと思います。
現場での姿から、学ぶことばかりの一日でした。



