イノP応援団 フォトライターの髙木あゆみです。
鳥獣害対策の現場で見て感じたことを、写真とともにレポートします。
熊本県阿蘇郡南小国町では、座学と現地研修を重ねながら、イノPが鳥獣害対策の伴走支援を行っています。
行政・地域・イノPという3つの柱があるからこそ、取り組みは着実に前へ進んでいます。
この日は、電気柵の効果を高める「通電シート」の張り方をレクチャーしました。
これまでの伴走支援の初期段階では、地図を広げ、地域の皆さんで被害状況や動物の出没エリアを共有してきました。
今回の設置場所も、その方法をもとに地域で話し合いながら決定しています。
「地域のみんなで把握し、決めていく」
このプロセスこそが、対策を成功に導く大きなポイントです。

南小国町で進む!みんなでつくる鳥獣害対策
まずは、地域の倉庫から資材を運び出すところからスタート。
今回はレクチャーのため一部のみ設置し、残りは地域の方々が数日かけて施工していきます。

草刈りいらず!?通電シートのすごい魅力とは
今回扱うのは通電シート。
防草シートに電線が編み込まれており、このシート単体で動物に影響を与えるものではありません。
電気柵と組み合わせて使うことで、その効果を高める資材です。
通電シートの大きな特徴は、次の2点です。
ひとつは、草刈りが不要になること。
イノシシ対策の電気柵は、地面から20cm・40cmの高さに電線を張りますが、草が伸びて触れると漏電し、通電量が低下します。
本来はこまめな草刈りが必要になりますが、通電シートを使えばその手間を減らすことができます。
もうひとつは、通電効率が向上すること。
イノシシの足元に通電シート、鼻先に電線が当たる構造になるため、電気柵の効果がより発揮されやすくなります。
一方で、魅力あるものにはコストもかかります🥲
そのため、イノPでは必要な場所を見極めて導入することを推奨しています。
いざ実践!通電シート設置レクチャーの現場へ


設置場所のすぐ横には側溝がありました。
イノシシの動きや習性を踏まえ、侵入経路を意識しながら設置していきます。
電線は畑の外側に配置し、侵入しようとするイノシシの足元にくるように調整。
シートは等間隔で留め具を打ち込み、しっかり固定していきます。


作業は地域の皆さんで協力しながら進められ、スムーズに進行。
人手があることで、設置スピードも大きく向上します。
途中、傾斜地で設置面が狭い箇所がありました。
この場所では相談のうえ、シートを折り曲げて対応することに。
現場に合わせて柔軟に対応することも重要なポイントです。

レクチャー終了後、さっそくその場で作業に取りかかる姿も見られました。
地域で考え、すぐに実践に移す。
その積み重ねが、確実な鳥獣害対策へとつながっていきます。
トラブル発見!電気柵の弱点とその場で改善
作業の合間には、電気柵の状態も確認しました。
「バチッバチッ」という音がしていたため確認すると、一部で接触による漏電が発生していました。
こうした状態は電流を弱める原因になります。

ホームセンターなどで購入できるワイヤーを巻き付けて補修。
その場で素早く対応できるのも、現場経験の強みです。
ホームセンターなどで売っている100円くらいのワイヤーを巻き付けるといいと、稲葉たっちゃんが紹介しました。


バチッという音がなくなるまであちこち見て、手を加えました。
この地域では研修後、電流チェッカーも導入されており、実際に数値で状態を確認していることを聞き、対策環境が整っていることがわかりました。たっちゃん感激!
目に見えない電気も、チェッカーを使うことで弱い箇所が把握できます。
こうした工夫の共有で、適切な対処につながっていきます。
イノシシの侵入を防げ!対策アイデア
作業中、地域の方から新たな相談もありました。
川と水路のトンネルからイノシシが侵入しているとのことです。
現在はピンクのテープを垂らして対応していました。


より効果的な方法として、既存の電気柵から電線を延長することを提案しました。
地形がV字になっている箇所では、電線に錘をつけることで安定させます。




